sponsored link

 

圧倒的な実力と知名度を誇るフランス・パティシエ界の重鎮でありながら、今なおエネルギッシュに新作を生み続けているピエール・エルメ。

今月リリースされたサマーコレクションの3つのケーキも、味わい深く個性豊かで、挑戦的かつエレガント。いずれも818日までの期間限定品です。

 

 

■頻繁な新作発表が期待されるパティシエ

 

今やパティシエは、ファッションクリエイターと同等、いやそれ以上に忙しい職業かもしれません。

ファッション業界では、プレタポルテとオートクチュールそれぞれの春夏・秋冬コレクションが定期的に発表されますが、洋菓子業界でも四季折々、イベントごとに新作が披露されるのが近年の傾向です。

 

パティシエにとって最も大きなイベントといえば、12月のクリスマスと4月のイースターですが、これらに加えてバレンタインデー、母の日、父の日など、ことあるごとに新作品や期間限定品を販売しています。

さらに春のイチゴタルトや秋のモンブランといった具合に、素材の出荷の最盛期に合わせた旬のケーキも登場。

常にレシピを更新し、バラエティーに富んだクリエーションを展開して話題を作らなければ、好奇心旺盛で飽きっぽい、今どきのスイーツマニアたちを満足させることは難しいでしょう。

 

超一流のパティシエであるピエール・エルメであっても、その地位や名声の上にあぐらをかくことなく、創意豊かな新作を積極的に生み出し続けています。

今月から店頭に並ぶ3つの新作もまた、流行に踊らされやすい甘党を狂喜乱舞させる素敵なラインナップ。

見た目も味わいも華やかで、季節感あふれる全種を味わってみました。

 

 

sponsored link

■新作① ENVIE アンヴィ (欲望の意味) 7.20EUR

    

店員さんいわく、一番人気はこれ。

白から淡いピンクへのグラデーションが美しいホイップクリームと果実のデコレーションが可憐なケーキ。

 

スミレで風味付けしたクリームの中には、レッド&ブラックベリーのコンポートと、砕いたアーモンをちりばめたスポンジケーキが隠れています。クリームにはマスカルポーネチーズが加えてあるので、エレガントな香りとともにもっちりとした食感が楽しめます。

果実の酸味とクリームの優しい甘味とのバランスが絶妙。

 

 

■新作② ELLA エラ 7.20EUR

 

鮮やかな赤のグラサージュの下には、レモンクリームが。無駄をそぎ落としたシンプルな酸味が心地よく、舌の上にのせるととろけ落ちるような滑らかなテクスチャーがたまりません。

そのクリームの中にはレモンとオリーブオイルで風味付けしたスポンジケーキと、ベリー系のコンポートが入っています。オリーブオイルは控えめながらもしっかり香っているので、独創性と新鮮さが感じられました。

 

側面をデコレーションはパッと見たところホイップクリームかと思いましたが、実際はサクッとしたメレンゲ。メレンゲが水分や色を吸い取ってしまわぬよう、ケーキとの接着面にはホワイトチョコレートが付けてあります。

 

 

■新作③ TARTE AUDACE タルト・オダース (大胆なタルトの意味) 7.20EUR

 

サクサクのパイ生地の中に、バラで風味付けしたアーモンドクリームを詰め、その上に軽くローストした黄桃を重ねたケーキ。

 

購入時に「砂糖をプラスしますか?」と店員さんに尋ねられました。「砂糖にはクミンが混ぜ込んであって、プラスすることによって桃の甘さが引き立つから」とのこと。

甘味が過剰になるのではと思い遠慮をしましたが、試食時にはクミンのスパーシーな風味がしっかり立っているのが感じられたので、砂糖追加はしなくてよかったです。

 

クミンといえば通常は料理に使用されるスパイスですが、意外にもスイーツにもぴったり。大胆な抜擢が功を奏し、エキゾチックな香りが漂い、さらに黄桃の甘味にハイライトを入れるのに成功。上品で美味しく仕上がっています。

 

 

 

■宝石のようなピエール・エルメのパティスリー

 

この新作3品に共通しているのは、創意にあふれ非常に手が込んでいるということ。

手間暇を惜しまず作っているのが、見た目からも味からもわかります。

 

スミレ、オリーブオイル、クミンの実など、伝統的なパティスリーにはあまり馴染みのない素材を積極に取り入れているのも好感が持てます。

特異な素材を取り入れるときには、新しいレシピを組み立てるまでに試作品の製作と試食の繰り返しが必要になります。時間とエネルギーを必要とするはずです。

 

また何気なくトッピングされているフルーツひとつとっても、形がいびつなものやくたびれたものは一切ありません。きちんとセレクトされた果実だけを、デザイン通りに並べているのでしょう。

 

このような労力やこだわりを惜しまず積み重ねているからこそ、トップパティシエとしての地位を確立し続けることができるのでしょう。

 

また今回の新作は、いずれも見るからに制作にコストがかかるケーキ。

価格は7.20EURとなっていて街中のパティスリーと比較すると高価ですが、手間暇やフルーツの鮮度の高さを考えると、採算が取れているのかとむしろ心配になってしまいます。

販売期間は818日まで。期間内に刹那の芸術を味わいましょう。

sponsored link