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英国海峡に面するフランス・ノルマンディー地方の小都市エトルタEtretat。
列車とローカルバスをうまく乗り継げば、パリからわずか3時間でアクセスできてしまいます。
この地で有名なのは、アーチ型の断崖。フランス屈指の絶景スポットです。

壮大なスケールの自然を目の当たりにすると、その対比で自分自身の存在の小ささを実感し、日頃の悩み事などまるで取るに足りないちっぽけなもののように思えて心が軽くなります。

また強く新鮮な潮風に吹かれていると、肺の中だけでなく命までが洗われるよう。

精神的なデトックス効果も抜群のパワースポット、エトルタを最大限に楽しむために心掛けておくべきことは?その3つのポイントとアクセス方法を紹介します。

 

心得その1:旅行前には予習をしておくべし!

エトルタの神秘的なフォルムの崖は、強い雨風が削り上げた天然の彫刻作品。

海を正面に立ってビーチの右手側(地図上の北東)にそびえ立つのがアモンの断崖Falaise d’Amont、そして左側(南西)がアヴァルの断崖Falaise d’Aval。いずれも幾重もの層になったバームクーヘンのような石灰岩の断崖です。

 

その怪奇な姿に魅せられて、作家のモーパッサン、モーリス・ルブラン(怪盗アルセーヌ・ルパン推理小説シリーズの原作者)、画家のモネ、ドラクロアたちが作品に残しました。おかげで、もともと小さな漁村だったエトルタが、19世紀の初頭には風光明媚な海水浴場として知られるようになったのです。

旅立つ前に、作品に描かれたエトルタを観ておくのはいかがでしょうか。

推薦図書はモーリス・ルブラン著の「奇厳城」。ルパンとシャーロック・ホームズとの最後の直接対決のシーンは圧巻で、シリーズの中でも傑作だと呼び声高い作品。この中で、エトルタの崖の内洞がルパンの重要な隠れ家として描かれています。

モネ作「Etretat, la plage et la falais d’Aval(エトルタ、ビーチとアヴァルの崖)」 1884年

小説や画集に目を通して予習をしておいて、それから実際に訪れて自分の目でその壮大さを確認すると、「あの作品の舞台に自分が立っている」という充実感と達成感が味わえること請け合いです。

 

 

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■心得その2:崖の上には上るべし! 

エトルタはその美景ゆえ多くの観光客をひきつけ、街の中心の駐車場には大型バスが次々と乗り入れますが、私たち見る限りでは、どれも長居することなくすぐ旅立っていきます。

団体客は駐車場前のビーチに出て崖を写真に撮ると、早々に旅立っていってしまうのです。

 

人が集う駐車場前のビーチに対して、両側の崖の上は実にのどか。

双方の崖の高さは約55mで、それぞれの頂上へはビーチの両端から伸びる階段と人がようやくすれ違える程度の小道を登ってアクセスできます。
かなりの急こう配ですが、崖のふもとから上までの所要時間は、日頃運動不足の親と4歳の子供の足で20分ほど。
アモンの断崖の上には小さなチャペルと牧場が、そしてアヴァルの断崖の上には小さなゴルフコースがあり、それらの間を縫うようにハイキングロードが通っています。
時間や天気によって表情を変える海と陸との境目のパノラマの景色は美しく、強く吹き付ける潮風に乗って運ばれる空気は澄んでいて美味。
のんびり散策するのに最適です。

舗装は一切されていないので、ハイヒールは厳禁。また靴底が薄いパンプスもあまりお勧めできません。

 

ただし安全の都合上、波が打ち付ける崖のふもと部分に行くことは現在では禁止されています。

ちなみにエトルタのビーチは砂ではなく石ころの海岸です。

私は石ころのビーチが大好き。ビーチといえば砂浜がオーソドックスかもしれませんが、粒子の細かい砂だと、荷物や靴の間に入り込んだり、濡れた足にまとわりついたりして不快な思いをすることがありますが、石ころだと安心。

でも都会っ子の息子にとっては、石ころの上を素足で歩くのが少々苦痛だったよう。足つぼマッサージの罰ゲームを受ける芸人さながらのリアクションでした。

 

 

■心得その3:エトルタに泊まることにこだわることなかれ!

奈良の「大仏商法」という言葉をご存知ですか?
大仏に参拝する客たちが立ち寄るのをただ待つだけで、繁盛のための創意工夫をしない奈良商人の消極性を揶揄した表現です。大仏様さえいれば、お参拝客や観光客が町を訪れるので、十分な集客が見込め、努力をせずとも商売が成り立ってしまうということなのでしょう。

エトルタでも同じような現象がみられると感じました。そうエトルタの「断崖商法」です。
断崖と海が作り出す景色を目当てにエトルタには世界中から人々が訪れます。
この観光客たちは、お腹が減れば喉も乾くでしょう。さらにせっかく訪れたのだから思い出の品をひとつやふたつ買いたくもなるでしょう。
カフェ、レストラン、土産物屋には黙っていても人が集まってきます。

エトルタも街中にあるカフェやレストランは、ノルマンディー名物のクレープや海鮮をウリにしているものの、メニューはどれも似たり寄ったり。いかにも観光客相手といったラインナップです。

また奈良と同様、訪れる観光客に対してホテルの数が圧倒的に少ないのも気になりました。
私たちが宿泊したのは、ビーチまで徒歩2分の3つ星ホテル。立地条件とスタッフの対応は良かったのですが、部屋は狭くアメニティーグッズといえばシャンプーが1人1袋だけ。朝食も質素。居心地は悪くはありませんでしたが、コスパが高いとはちょっと言い難いホテルでした。
エトルタの人はおっとりしていて、ガツガツしたところがありません。つまりいい意味で田舎の人たちなのかもしれません。
洗練したサービスを期待する人は、エトルタは日帰りにして、同じノルマンディー地方にあるドーヴィルやオンフルールに宿をとることをおすすめします。

 

パリからエトルタへのアクセス方法

パリから出発する場合、始発駅となるのはサン・ラザール駅St Lazare。
ル・アーヴルLe Havre行きの列車に乗り、終点まで行きます
ル・アーヴルはノルマンディー最大級の湾岸都市で、パリから日中なら約1時間おきに列車(座席指定なし)が出ています。
所要時間は約2時間弱。

ル・アーヴル駅からはローカルバスに乗ります。駅に隣接するバス乗り場は、列車の進行方向左側にあります。
エトルタに行くには24番線バス(フェカンFécamp行き)に乗車。ル・アーヴル駅が始発なので、上り下りを気にする必要はありません。
バスは1日5~6便(夏期は8~9便)が運行していて、料金は2EUR(3歳以下は無料)。切符は乗車時に運転手から購入します。
エトルタは終着駅ではないので、降りるタイミングを逃さないように注意しなければなりません。乗客のほとんどがエトルタで下車するので、多勢に倣っていれば問題ないはずですが、心配な人は、あらかじめ運転手に伝えておくといいでしょう。

 

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