sponsored link

 

「パティスリー界のピカソ」「マカロンの王様」と称されるピエール・エルメ氏。
パン屋の4代目として生まれ、近代フランス菓子の父ガストン・ルノートル氏のもとで修業をして腕を磨き、フォションでシェフ・パティシエを、そしてラデュレで副社長を務めたのちに独立してピエール・エルメ・パリを設立。現在、世界12か国に約50店舗を展開しています。
まさに押しも押されもせぬ世界トップクラスの菓子職人。
国境も世代も超えた強い人気は、ケーキの絶対的な美味しさに裏付けられているわけですが、メゾンの繁栄の要因は味の秀悦さだけではありません。
超一流メゾンと呼ばれるのには、プラス・アルファの理由があるようです。

 

■理由①ピエール・エルメのスイーツには神が宿っている!?

「神は細部に宿る」と語ったのは、近代建築の三大巨匠にも挙げられるドイツの建築家ミース・ファン・デル・ロース。
この名言は「ディテールにこだわってこそ素晴らしい作品が構築される」、「作品の真髄は細部に秘められていることがあり一見しただけで判るとは限らない」などと解釈され、芸術を生み出す側、鑑賞する側にとっての指針となっています。

ムッシュ・エルメが作り出すスイーツは芸術的。
そして神が降臨するのにふさわしいこだわりが細部に施されています。

たとえば看板商品である「イスパハンIspahan」を例にとってみましょう。
「イスパハン」は、サクッと焼き上げたマカロンコックの間にフランボワーズを並べ、その中央にバラ風味のクリームとライチの果実を忍ばせた傑作。はんなりとバラが香るクリームの甘味と、果実の甘酸っぱさが奏でるハーモニーは舌を魅了し心を震わせます。


マカロンのトップには深紅のバラの大ぶりの花びらがあしらわれているのですが、その上にシロップが1滴のせられています。この小さな1滴があるかないかで、味に大きな影響を及ぼすことはありません。
ただし水滴を思わせる雫を加えるというひと手間をかけることによって、瑞々しさと新鮮さが表現されスイーツがより詩的になり威光さえ放つように。

また、ヘーゼルナッツとミルクチョコレートのケーキ「プレジーユ・スクレPlaisir Sucré」においても作り手の細かな気遣いが感じられます。トッピングされたヘーゼルナッツひとつ取っても、そのロースト加減は絶妙。チョコクリームも大きさや形が乱れることなく均一に美しくホイップされています。

味作りはもちろんのこと、装飾の細部にまで趣向を凝らすのはさすがです。

 

sponsored link

■理由②ビジネスパートナーに恵まれている!

ピエール・エルメ・パリはエルメ氏本人とシャルル・ズナティ氏という実業家によって共同経営されています。ビジネスパートナーのズナティ氏は、エルメ氏とコラボする以前は広告やデザイン業界で働いていたという経歴の持ち主。
このパートナシップは1998年の創業時から変わらず現在に至っています。

独立して自分のメゾンを立ち上げる菓子職人にとって、陰の支えとなる共同経営者の存在は重要。
優れた腕を持つパティシエが、ビジネスの才覚も持ち合わせているとは限りません。むしろ10代半ばから製菓工房で修行を始めてその道を究めたクラフトマンが、経営戦略や金勘定に通じているほうがむしろ不自然なくらい。
経営方針や事業拡大のタイミングを誤ってしまうと、どんなに素晴らしいケーキを作っても、経営難に陥ってしまいかねません。せっかくオープンさせたのに、いつの間にかなくなっていったケーキ屋をいくつも知っています。

付き合いの長い頼れるビジネスパートナーのおかげで、製菓に集中できるからこそ、今の地位を築き上げることができたといっても過言ではないでしょう。

 

■理由③おもてなしの精神が隅々に前行き届いている!

ピエール・エルメのケーキはパティスリーのオートクチュール呼ばれていますが、高級感に満ちているのは食べる部分だけではありません。
ショッピングバッグに使用されている紙は上質で、紙紐をねじった持ち手は丈夫で持ちやすく作られています。白を基調として花びら型に型抜きされた手提げはメゾンの象徴のひとつになり、控えめながら確実な宣伝効果を持つように。街中でこのショッピングバッグを持っている人を見ると、条件反射でエルメさんのケーキが食べたくなってしまいます。

また軽視できないのはケーキを入れるボックス。
箱はケーキを個別に入れるようになっていて、中でケーキが動いてクリームが箱の側面につくようなことがないように、ケーキの敷紙の直径と箱の辺の長さがほぼ同じになるように設計されています。
ケーキを購入した直後から味わう直前までの、ともすると軽視されかねない部分にまで気配りが施されているのはさすがです。

 

■今後の展開にも注目!

グローバルに活躍するピエール・エルメ氏ですが、自分の名前を看板に掲げた第一号点をオープンさせたのは、実は日本。パリよりも東京のほうが先だったのです(東京1998年、パリ2001年)。

また近日中に、サン・ジェルマン大通りにも新しいカフェがオープンするとのこと。
場所はメトロ4号&10号線のオデオン駅の出口の目の前という一等地。今日、前を通ってみましたが内装工事中が急ピッチで進められている様子でした。
ウィンドーにはお馴染みのムッシュ・エルメの大きなイラストのステッカーが貼ってありましたが、これは仏版「ELLE」でも活躍している超人気イラストレーター、ソルダッド・ブラヴィによるもの。正直なところエルメさんには似ているとは言い難い肖像ですが、ブランドのキャラクターとして愛されています。
新しいカフェのオープンも楽しみ!

sponsored link